課題
地方公共団体Nは、県内数か所に県民向けの相談窓口を設けています。相談は電話、面会を合わせて年間延べ3,000件程度あり、年々増加傾向にあります。
相談員は相談内容を印刷した「相談シート」に手書きして、各自がクリアファイルやバインダーに挟んで管理していました。そのため、毎年実施する相談内容の分類・集計を手作業で対応せねばならず、大きな手間がかかる原因になっていました。
また、相談内容によっては複数回にわたり匿名で来訪する相談者も少なくなく、相談内容の管理と「名寄せ」(複数のIDに分散されているデータを1つに統合すること)も相談員の悩みどころでした。
要望
提案にあたっては、以下の事柄を要望されていました。
- 相談に関する各種集計が簡単にできるようにしたい
- パソコン操作に不慣れな相談員が多いため、分かりやすく簡単に入力できるようにしたい

ソリューション
相談管理業務を総合的にサポートするシステムを、FileMaker Proで開発しました。
これにより、増え続ける相談を効率的に管理し、相談員や相談窓口、関連部署間のスムーズな情報共有を促すことを可能にしました。
特徴
相談ステータスの管理
対応が完了した「終結」、今後の継続対応が必要な「継続」、「面接」、「他の相談窓口を紹介」などを選択して管理管理できます。
相談者情報の名寄せ
デリケートな相談内容のために相談者が匿名を希望することがあります。そうすると、相談員は相対する相談者が誰かを特定できないので、相談のたびに別人物として扱ってしまう可能性があります。そこで、相談後に匿名の相談者の情報を過去データと突合し、名寄せできるようにしました。
キーワード検索
過去の相談内容すべてを対象に、検索することができます。

おもな機能
- 相談者情報(基本情報、相談内容、申し送り事項)の入力・編集
- 相談者、相談内容、申し送り事項の照会
- 相談記録の印刷(1件ごと)
- 面会相談日程の予約管理
- 相談者情報統合(名寄せ)
- 月次集計表の出力(CSV形式)
- 過去データ削除
- 各種マスタメンテナンス
動作環境
- 動作環境はFileMaker Proの動作環境に準じます
担当領域
- コンサルテーション
- 開発